オハイオ州立大学のスピンアウト企業、ビル・ゲイツ氏らから9100万ドルの投資を受け、クリーン水素の掘削を開始
オハイオ州立大学(OSU)と提携するスタートアップKoloma社が、米国中西部でカーボンフリーの天然水素を掘削するため、ビル・ゲイツ氏を含む投資家から9100万ドルの資金を調達しました。Koloma社は、地中の鉄やマグネシウムを主成分とする鉱物から水素を豊富に含む液体やその他の鉱物を抽出する、蛇紋岩化と呼ばれるプロセスを利用しています。この「地質学的」水素は、化石燃料のような一次エネルギー源として機能しますが、炭素を含まず、二酸化炭素排出量も少ないものです。
Koloma社は、このプロセスで毎年約2500万トンの水素を生産できると主張しています。これは、現在の世界の水素需要のほぼ4分の1に相当します。地中水素は、その製造に必要な資源はすべて自然に存在するため、2050年までに「ネットゼロ」の炭素排出を達成する上で大きな影響を与える可能性があります。また、2030年までに20万台の水素自動車を販売するというトヨタのような企業の計画を考えると、同社が掲げる上記の生産目標はすぐにでも実現できる可能性があります。
同社は、米国超党派インフラ法およびインフレ削減法の優遇措置、特に水素製造税額控除(PTC)を活用する計画です。この税額控除は、地中水素が該当するゼロ・カーボン燃料の場合、キロ当たり3ドルに相当します。ビル・ゲイツ氏のブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズを含む投資家から9100万ドルの投資を受けたKoloma社は、クリーン水素分野で最も資金力のある企業です。
現在の水素市場規模は1億2000万ドルですが、2030年までに2倍以上に拡大し、2050年には1兆ドルに達すると予想されており、この分野は、カーボンフリーの実現とともにビジネス的にも大きなポテンシャルを有すると言えるのではないでしょうか。
ソース:Carbon Credits
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