ニーズの概略

概要:

小林製薬が、喉用のスプレー剤で使用されるヨウ素製剤の多量かつ連続投与による影響を評価することを目的とした、甲状腺に対する薬物の安全性評価に適した動物モデルを求めています。


背景・詳細:

 

小林製薬は喉用のスプレー剤を30年以上前から製造・販売しており、感染症対策製品の1つとして確固たる地位を築いています。その特徴は有効成分としてヨウ素を0.5%含有する点にあり、様々なウイルスに対して短時間で高い殺菌効果が期待できます。

 

ヨウ素製剤は古くから利用されてきた歴史があり、その長期間の使用実績や弊社の販売経験を通じて、一定の安全性が担保されていると信じています。しかしながら更なる検証を行うため、ヨウ素製剤の多量かつ連続投与による影響を評価したいと考えています。そこで甲状腺分野の研究者の方々を対象として、ヨウ素製剤の安全性の評価に適した動物モデルを求めることにしました。


技術要件:

In vivoでヨウ素製剤の安全性を評価できる

  • ヨウ化物イオンを含有した液体を経口投与できる(嚥下が望ましいが、胃への直接投与でも構わない)
    • 投与回数または期間として3回/日かつ1ヶ月以上で想定している
    • 甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモンの分泌量の変化を確認できる
    • 投与を停止した際の甲状腺機能の回復状況を確認できる
    • 病理学や薬理学(例. 血中/尿中ヨウ素量)など、多面的な観点で評価ができると望ましい
    • In vitroでも甲状腺機能の評価が可能な培養モデルなら対象とする
  • 現時点で評価系として確立されている
    • サンプルを評価する準備ができている
  • 評価技術の信頼性を示す証拠があれば望ましい
    • 査読付き学術論文で報告されている または論文投稿のためのデータがある、など

対象とならない技術:

下記の技術は今回の募集の対象外とします。

  • In vitroやヒト臨床試験によって評価する技術

期待するパートナー:

例えば医学・薬学・分子生物学などに属する下記のような研究者からの提案に期待していますが、その限りではありません。

  • 甲状腺に対するヨウ素の影響に知見がある研究者

提案者の機会:

有望な提案者に対して以下の機会をご提供いたします。

  • 共同研究もしくは研究委託(1件当たり最大300万円を想定しているが、内容によってはその限りでない)

連携形態:

  • 共同研究・開発

技術成熟度(TRL):TRL5以上


募集は終了しました。

小林製薬 について

小林製薬グループは「“あったらいいな”をカタチにする」というブランドスローガンのもと、お客さまの生活・健康上のお困りごとを解決し、快適な暮らしに貢献すべく新製品を作り続けてまいりました。現在その領域は医薬品のみならず、芳香/消臭剤・栄養補助食品・オーラルケア/スキンケア製品などの他カテゴリーに拡大し続けております。

そうした背景もあり、弊社も単独での技術開発の限界を認識し、大学や研究機関など社外組織との協業を積極的に活用、中長期での研究開発を進めてまいりました。 そして数年前より更なる研究開発力の強化や新規事業の創出を目的とし、組織的なオープンイノベーション活動に取り組み始めました。 弊社は日本国内には未だ有効活用されていない様々なシーズが眠っていると考えており、それらを長年弊社が培ってきた顧客目線に立った製品コンセプト開発と組み合わせることで、より価値のある製品を創出できると考えています。