ニーズの概略
概要:
小林製薬が、肛門周囲の筋線維に対する薬剤の効果を評価する技術を求めています。
背景・詳細:
いぼ痔(痔核)は「肛門管内の粘膜下と肛門上皮下にある血管や結合織からなる柔らかい組織(肛門クッション)が肥大化して出血や脱出などの症状を呈する状態になったもの」として定義されており、治療に際しては炎症を抑えるだけでなく、肛門クッションにおける平滑筋線維の分断の修復が求められます。しかしながら既存の疾患モデルのほとんどは、炎症を再現したものです(例:クロトン油/酢酸誘発モデル)。一方で近年では筋線維の再生や修復に関する研究が活発に行われています。そこでこれらに関して深い知見のある研究者を対象に、肛門周囲の筋線維に対する薬剤の効果を評価できる動物モデルを求めることにしました。
技術要件:
- In vivoで肛門周囲の筋線維に対する薬剤の効果を評価できる
- ラットが望ましいが、マウス・モルモット・ウサギでも構わない
- 薬剤を経口および静脈内投与できる
- 痔核を再現できれば望ましいが、他の筋線維を脆弱化したモデルでも痔核に対する効果が説明できれば構わない
- 平滑筋細胞の増殖・分化マーカー評価など、in vitroやex vivoでも肛門周囲の筋線維を再現できていれば対象とするが、結果をもとにin vivoに応用できる事が望ましい
- 評価系として確立されていれば望ましいが、評価系に関する具体的なアイデア(取り組めるもの)があるだけでも構わない
<対象とならない技術>
下記の技術は今回の募集の対象外とします。
- In vitroのみでの評価やヒト臨床試験によって評価する技術
<期待するパートナー>
例えば医学・薬学・分子生物学などに属する下記のような研究者からの提案に期待していますが、その限りではありません。
- 筋線維の再生・修復研究に深い知見のある研究者
連携形態:
有望な提案者に対して以下の機会をご提供いたします。
- 共同研究もしくは研究委託(1件当たり最大300万円を想定しているが、内容によってはその限りでない)
技術成熟度(TRL):TRL5以上
>募集は、終了しました。
*上記掲載内容は、ジャパン・テクノロジー・グループ(JTG)が各ニーズの概要や要点を、独自に整理、要約、および翻訳(海外ニーズの場合)した上で提供しているものです。
小林製薬 について
小林製薬グループは「“あったらいいな”をカタチにする」というブランドスローガンのもと、お客さまの生活・健康上のお困りごとを解決し、快適な暮らしに貢献すべく新製品を作り続けてまいりました。現在その領域は医薬品のみならず、芳香/消臭剤・栄養補助食品・オーラルケア/スキンケア製品などの他カテゴリーに拡大し続けております。
そうした背景もあり、弊社も単独での技術開発の限界を認識し、大学や研究機関など社外組織との協業を積極的に活用、中長期での研究開発を進めてまいりました。 そして数年前より更なる研究開発力の強化や新規事業の創出を目的とし、組織的なオープンイノベーション活動に取り組み始めました。 弊社は日本国内には未だ有効活用されていない様々なシーズが眠っていると考えており、それらを長年弊社が培ってきた顧客目線に立った製品コンセプト開発と組み合わせることで、より価値のある製品を創出できると考えています。